令和7年6月10日、国税庁は「インボイス制度に関するQ&A」を更新しました。
今回の改訂では、現場で迷いやすい以下の3つの質問について、実務上の取扱いが明確になりました。
【Q&Aの更新内容と解説】
■ 問Ⅴ:インボイスの交付にあたって書面請求に手数料(110円)を請求できるか?
【答】
インボイスは原則として電子データでの交付も認められており、書面での交付を希望される場合に印刷代相当などの手数料を請求することは可能です。
ただし、その金額が社会通念上適正である必要があります。また、取引相手にとって取引継続が困難になるような高額な手数料を一方的に課すと、独占禁止法の「優越的地位の濫用」に該当する可能性があります。
⚠ 注意点:この手数料にも消費税がかかるため、インボイスの交付が必要です。
■ 問Ⅵ:レジの仕様で90日しか再発行できないレシートはどう扱う?
【答】
商品購入時に適格請求書(レシート等)をすでに交付している場合には、その時点で交付義務は果たされているとされ、90日を超えて再発行ができなくても問題ありません。
ただし、交付自体をしていなかった場合には、相手方から具体的な取引記録の提示があれば、手書きなどで交付するなどの対応が必要です。
■ 問Ⅶ:海外アプリ課金など、プラットフォーム課税の対象となる取引のインボイス対応
【答】
令和7年4月以降、海外からのアプリ配信などで特定のプラットフォーム(AppleやGoogle等)を経由して対価を支払った場合、そのプラットフォーム事業者が「取引を行った者」とみなされます。
このため、仕入税額控除を受けるには、プラットフォーム事業者から交付されるインボイス(もしくはデータ)を保存すれば足ります。
一方、プラットフォームを介さない取引の場合は、海外事業者自身がインボイス発行者であるかどうかを確認する必要があります。
📄 詳細は以下の国税庁PDFにて確認できます:
国税庁公式Q&A(PDF)
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